【Opinions編集部発】発達障害でも夢を諦めないで。ラーメン店の中学生店長が伝えたいこと。

岡山県高梁市にある「森田商店」。ここで店長を務めるのは、森田樹さん(14)だ。ADHD、ASDがある樹さんは数年前まで、ラーメンしか食べることができなかった。しかし、ラーメン店の店長になったことをきっかけに、世界が広がり、成長を遂げていった。そんな樹さんがいま、同じ障害がある子どもたちに伝えたいことがあるという。

父・寿昭さん編はこちら。

――「父の力になりたい」
店長になったきっかけを、はっきりと答える。幼少期、ラーメンしか食べられなかったことで、店を開こうと決めてくれた父のため、「店長」として接客を担当する。券売機で買ってもらった券を改修してオーダーで通すのがメイン。
「人前で話すのは苦手でしたが、お客さんと話したり、テレビに出演したりしたので最近は得意になりました。」

店長になってから、いろんな人から「頑張っているね」と褒めてもらえることがうれしかった。YouTubeやInstagramに動画を載せて、友達にも「すごい」と言われた。褒められるのがモチベーションの樹さんは、嬉しそうに語ってくれる。

一方で、大変なことは食器を洗うなどの厨房の仕事。この1年は、ここをメインに頑張りたいという。

最近導入された券売機。樹さんは、注文の仕事を奪われ少しとまどっている。

――「今は特別支援学級ですが、来年度から普通学級で頑張ります」

樹さんは、中学2年生。自転車通学で、片道は15分ほどだという。自転車は、中学生になるまで乗れなかった。こぐ感覚が掴めず、「乗らざるを得ない」となったタイミングでようやく乗れた。

「勉強は、歴史が一番好き」
その理由は、豊臣秀吉や、高梁市であれば山田方谷さんなど、英雄と呼ばれる人が好きだから。僕もいつか英雄になりたい、そう目を輝かせた。

――「障害があってもなりたい職業に就ける」
そう言い切る理由は、樹さん自身が発達障害ながらもラーメン店の店長になったら有名になれたから。エジソンやアインシュタインも発達障害だったが、頑張ったら有名になれたと教えてもらったこともきっかけだそう。何事もネガティブに考えず、発達障害だからといって夢を諦めないでほしいと思いを込めた。

樹さんは将来、ラーメン店で働くか、公務員になるか迷っている。

最後に、好きな食べ物を聞くと、「ラーメンはもちろん、餃子やカレーライス、チョコレートが好き」と話してくれた。

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Opinions編集部が取材・構成をしました。
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