生理革命委員会「学校から革命を起こしています!」

お久しぶりです。少し大人になった生理革命委員会です。以前の寄稿から約1年。私たちが今どこまで革命を起こしてきたのかみてください。

クラウドファンディング&署名

署名活動とともに実行力を持たせるため、2023年2月14日から4月13日まで目標金額200万円に設定したクラウドファンディングを実施しました。生理革命委員会という名を広げるために、新聞、ラジオなどの様々なメディアに出演させていただきました。締め切り3日前くらいまでこれは達成しないのではないか、と3人で話していましたが、皆様のお力添えのもと無事達成することができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

陳情、提言書提出

このクラウドファンディングと署名をもとに、県内公立高校トイレに生理用品の設置を求めることについて、6月13日に岡山県議会に陳情書、岡山県教育庁に提言書を提出しました。陳情は6月30日の岡山県議会市民文教委員会において全会一致で採択、7月5日の県議会6月定例会でも全会一致で採択されました。

実証実験の開始

2023年の8月の夏休み期間を使い、実際に学校向けにどう設置するのか、補充の仕方やなぜそもそもこの活動が必要なのかをお話する説明会をZoomで行いました。また、参加する学校には事前アンケートと保健室では1ヶ月に何枚使われるのか回答していただきました。事前アンケートは後楽館高校で行った質問事項と同じ内容です。

実証実験は現在、8校で実施されています。

まずは、生理を経験したことがある人(1310人)のアンケート結果です。
「経済的理由または経済的理由以外で生理用品が手に入らなかったことがある」という質問に対し、「ある」と答えた人は13人に1人、そして「経済的な理由で生理用品を交換する頻度を減らしたことがあるか」という質問に対して、「ある」と答えた人が15人に1人という結果になりました。

また、「学校に持ってくるのを忘れた」あるいは「トイレへ持って行くのを忘れた」という理由で、学校で困った経験があるという生徒は全体の85%でした。簡単に言えば、1.2人に1人の生徒は生理用品がなくて困った経験があることがわかりました。

そして、「生理用品を人から借りたことがあるか」という質問に対し、あると答えた人が75%と、全体の約4分の3の生徒が「人から借りたことがある」と答えました。

このことから、岡山後楽館高校と同じように、ほかの学校でも生理や生理用品に関する悩みや困った経験があることがわかりました。どんな理由であれ、生理用品が手元になかったら、授業中など何をしているときも、経血が漏れていないか、ずっと気にしてしまい、授業どころではありません。不安でたまりません。岡山後楽館高校の中でもいたように「交換する頻度を減らして過ごす」という生徒がいたことから、それによる健康被害も考えられます。生理期間というのは、1日に5〜6回、2時間に1回変えるのがベストと言われています。同じナプキンを使っていると、デリケートゾーンが不衛生になるし、かぶれてしまうことがあるからです。また、細菌の繁殖が原因で病気になるケースもあります。

そして、3ヶ月の生理用品設置期間が終わった学校に、実際に生理用品があってどうだったかなどを聞くために事後アンケートを行いました。「いつでも使えるという安心感」「不安や心配になるという気持ちが減った」という意見が多くみられました。また、使っていない人の中にも「常にトイレに置いておくことで安心感があった」と答えてくれた方もいました。「友達に借りる罪悪感もなくなったし、ナプキンを交換する頻度も少し増えた」という声もいただきました。その他の意見では、「もう少し種類や大きさの違ったナプキンを置いて欲しい」「蓋付きのケースに入れて欲しい」「大きいサイズのナプキンがよくなくなっていた」という意見もありました。

私たちとしてはそんなところまで考えてくれてありがとうと感じ、改善していく余地があるなと思いました。

アンケートの結果から、生理用品を個室トイレに置く価値は十分にあります。需要もあります。それなのになぜ、参加してくれないのか、他の学校に、不参加の理由も聞いてみました。

参加しない理由としては、「保健室に設置しているため、個室トイレへの設置は不要だと考えている」学校が多くありました。そしてなにより私たちが気になったのは、『参加しないことを、’’教員のみ’’で決定した学校が多かったこと』です。もちろん、生徒と教員の間で決めてくださった学校もあります。しかし、今回の実証実験は、生徒が使用するものだったので私たちとしては、生徒にも伝えて一緒に考えてほしかったなという想いもありました。また、私たちの活動の呼びかけに対して、何の反応もしてくれない学校がありとても残念な気持ちにもなりました。

まだまだ生理革命起こします!!!!

「トイレにナプキン置きたいんよ!」の一言から始まったこの生理革命委員会の活動ですが、ついに、県内の学校に置くことが実現され始めました。約1年間のあいだでこんなにも早く夢が実現したのは私たちを支えてくださっている方、声を聴かせてくれる方、応援してくれる方々がいるからだと日々感じます。

『生理のことを話しやすい雰囲気になり、生理用品が無償になる社会になりますように』というのが私たちの現在の夢ですが、まずは第一歩ということで’‘学校’’という場所から始めています。生徒の健康を守り、豊かな人生を送ることができる環境にするためにも、まずは学校からサポートしていきます。

生理は誰にでもつながることだからみんなで向き合っていくべきだと考えています。これからも生理のことをたくさん話してもっともっと理解のできる、大切にできる、そんな世の中になるよう私たち生理革命委員会は革命を起こし続けます。

生理革命委員会澤田まりあ、山形萌花、山領珊南
岡山市立岡山後楽館高等学校で出会った2005年生まれの3人による任意団体。3人でお互いが困ったときは補い合いながらこれまで活動しています。この活動が始まる前は顔見知り程度でしたが、今では活動のこともそれ以外のこともなんでも話す仲間です。真面目な話もくだらない話もエンドレスに話しています。今まで活動する中で多くのことを一緒に乗り越えてきました。好きなことや将来の夢はそれぞれ違いますが、高校生活で何を頑張ったかと尋ねられたら、3人とも間違いなくこの探究活動だと言い切ると思います。今だから行ける場所、会える人、もらえるチャンスに感謝して、楽しんでこれからも活動していきたいです。
岡山市立岡山後楽館高等学校で出会った2005年生まれの3人による任意団体。3人でお互いが困ったときは補い合いながらこれまで活動しています。この活動が始まる前は顔見知り程度でしたが、今では活動のこともそれ以外のこともなんでも話す仲間です。真面目な話もくだらない話もエンドレスに話しています。今まで活動する中で多くのことを一緒に乗り越えてきました。好きなことや将来の夢はそれぞれ違いますが、高校生活で何を頑張ったかと尋ねられたら、3人とも間違いなくこの探究活動だと言い切ると思います。今だから行ける場所、会える人、もらえるチャンスに感謝して、楽しんでこれからも活動していきたいです。
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