「brIDge(ブリッジ)」創刊にあたって — 分断を越えるための対話の場

OPINIONSを長い間御覧頂き有難うございます。本サイトは3月末をもって連載を終了します。その代わりに、6月から新しく、移民問題を取り扱うサイト「brIDge(ブリッジ)」を開始します。

日本社会は今、大きな転換点に立っています。人口減少と高齢化が進み、労働力不足は各産業で現実の問題となりつつある一方で、外国人労働者や在留外国人の増加に伴い、社会の中では移民をめぐるさまざまな議論が生まれています。

しかし、この議論はしばしば互いに交わることなく進められているようです。移民を積極的に受け入れるべきだとする立場は、人口構造や経済成長、国際競争力といった論理的な分析に基づいて主張することが多く、一方で、移民の拡大に慎重であるべきだとする立場は、治安や文化、地域社会の変化に対する不安など、生活実感に根ざした感覚的な問題を重視する傾向があります。

その結果、移民問題は「賛成か反対か」という単純な対立の構図に陥り、冷静な議論が難しくなっているのです。しかし、本来重要なのは、移民を善悪の問題として語ることではなく、日本社会がこれからどのような形で外国人と共に生きていくのかという現実的な課題を考えることでしょう。

本誌「brIDge」は、この分断を乗り越えるための対話の場として立ち上げます。私たちは特定の立場を宣伝することを目的とせず、むしろ、移民をめぐる議論においてしばしば見落とされがちな事実やデータを提示しながら、日本人と外国人の双方が直面している現実を丁寧に描き出すことを目指します。

また、本誌は政策論だけでなく、実際に地域社会の中で共に生活している人々の姿にも目を向けます。外国人労働者、留学生、その家族、そして彼らと関わる日本人の姿を通して、抽象的な「移民」という言葉の背後にある具体的な生活を伝えていきたいと思います。

社会の分断は、相手を知らないことから生まれることが多いのです。理解は必ずしも同意を意味しませんが、理解なくして建設的な議論は成立しません。

6月から創刊される情報誌「brIDge」という名前には、人と人、社会と社会、そして異なる意見のあいだに橋を架けたいという願いが込められています。本誌が、日本社会の未来を考えるための静かな対話の場となることを願っています。期待してください。

公益財団法人橋本財団 理事長、医学博士橋本 俊明
1973年岡山大学医学部卒業。公益財団法人橋本財団 理事長。社会福祉法人敬友会 理事長。特定医療法人自由会 理事長。専門は、高齢者の住まい、高齢者ケア、老年医療問題など。その他、独自の視点で幅広く社会問題を探る。
1973年岡山大学医学部卒業。公益財団法人橋本財団 理事長。社会福祉法人敬友会 理事長。特定医療法人自由会 理事長。専門は、高齢者の住まい、高齢者ケア、老年医療問題など。その他、独自の視点で幅広く社会問題を探る。
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