

世界の環境は常に変化している。日本はその中で、アメリカの傘のもとに国際環境によっての変化にあまり影響されず、国内の問題に集中できたのが、太平洋戦争後の状態である。その間で、日本人の考え方は小泉政権の短期間の時期を除くと、ほぼ、エスピン・アンデルセンの唱える、福祉資本主義3つの世界の中では、保守主義(コーポラティズム=共同体主義)と社会民主主義が混合した形態だった。それでも、日本経済は驚くべき成長を示した。それは、人口増加と旺盛なアニマルスピリッツのおかげである。
そして、今後の世界情勢を見ると、次の3つの選択が求められているように思われる。前提として、人口減少、アニマルスピリッツの低下によって、日本経済の成長は絶望的となっている。日本の利点は唯一国民が分断されていないことだ。これは、日本人が主義主張をあまりしなかったことによって、対人関係が良好に保たれていることによる。
さて、日本政府の方向性としては、次の3つの選択が考えられる。
1, 現状追認・ポピュリズム型:赤字国債を発行して、今まで通りの予算を組む。今まで通りとは、社会保障の形態も従来型、防衛費は必然的にGDPの2%あるいはそれ以上に増加することを容認すること。将来に向けての教育予算は一定量確保する。そのためには、毎年30兆円あるいはそれ以上の新規国債を発行する。その結果、国の負債は現在の1200兆円余りから、20年後には2000兆円近くに増加する。この負債に日本が耐えられるかは疑問である。しかし、インフレ下では、そのつけは国民に回り、国民生活が苦しくなるが、インフレが強くなることによって国家の債務が相対的に減ることになるかもしれない。高市内閣が唱える、「国家債務/名目GDP」の低下は達成できる(分母のGDPがインフレによって大きくなるから)。あるいは、国がデフォルト状態となり、破綻する可能性もある。
2, 増税型:現状では国民負担率(国民所得の45%程度)はフランスやスウェーデン(国民所得の60%)に及ばない。従って、増加する社会保障、防衛費、教育予算の増加分は増税によって賄う。税率は世界最高に達するだろう。経済は停滞するが、国が破綻する可能性はなくなる。しかし、ポピュリズムの蔓延が続けば、国民に負担を強いるこのような政策を実行することは難しいだろう。
3, 費用削減型:社会保障の削減と、防衛費の圧縮を行う(限度はあるが)。教育予算の増加もあまり認めない。その結果、増税は行わない。社会保障費の削減は、介護や医療分野である。現在では医療分野を主として、年間1.5兆円の社会保障分野での費用増加があり、その増加分の5000億円程度を政府からの支出増加で賄っているが、その増加を停止する。医療費の削減、これは病院への給付の若干の拡大と、診療所への報酬の削減、急性期病床の削減、そして精神病棟の縮小と療養病床の大幅な削減などを伴い、医師会からの抵抗が強いだろう。介護分野での費用削減は現状では難しいが、以前から一部で考えられていた、老人ホームから在宅への移行によって実現できるかもしれない。防衛費も2️%以上は容認できない。教育費用は現在でも削減されているが、これ以上減らすと将来に対しての備えは出来ないだろう。全体に、この案は供給側からの反対が強いので、政府は実施することが難しいだろう。
どの案を採用しても、すべてが満足できることはない。増税型は政権の人気が下がりそうで、外圧がない限り政府が行うことはなさそうだし、費用削減型は業界からの反発が強く、実施は困難だろう。現状追認・ポピュリズム型は強いインフレあるいは日本の破滅に繋がる危険がありそうだ。現状で考えられる可能性が高い将来の状態は、インフレの継続で、庶民の生活は苦しくなるが、日本の経済的破綻は避けられ、国家の運営も何とか現状追認で継続できる状態だろう。大胆な変化は日本にはもはや望めないかもしれない。
それ以上に恐ろしいのは、50年後の日本で、人口減少とアニマルスピリッツの低下が続き、移民もあまり歓迎されない状態だ。この場合、人口減少のために、インフレになるような需要の増加がなく、景気の長期低迷が続き、マイナス成長と生活の貧困が今以上に強まることである。そうなると、海外からの人々の移入もなくなり、日本は観光産業を主体として、ユーラシア大陸の東端で世界情勢とは関係なく、ひっそりと暮らす国になるかもしれない。







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