

厚生労働省によると、2024年1年間で生まれた「日本人」の赤ちゃんの数を示す出生数は68万6,061人だった。一方、2024年1年間で死亡した人は160万5,298人と4年連続で増加し、過去最多に。差し引きの人口減少は、91万9,237人となった。約92万人の人口減少は、労働人口が減少すると同時に、消費人口も減少することを認識することが大切だ。
国立社会保障・人口問題研究所の2020年レポートによると、2070年、つまり現在からおよそ50年後の日本の人口中位予測(外国人を含む)では、日本の人口は8,700 万人と推計されている。現在の人口からは、3,900万人(31%)の減少で、1年あたりに換算すると、50年間にわたって毎年78万人の減少となる。ただし、そのうち50年後の「日本人」人口は7,761 万人で現在よりも4490万人(36%)の減少だ。1年に換算すると89万人の減少となる。日本の人口予測と「日本人」人口予測との差は、この推測では、年間平均16.4万人の外国人の増加で埋められている。この時点(50年後)での外国人比率は10-15%と考えられる。多くの将来の日本社会を推測する意見は、この数値を基にしている。しかし・・・。
このような日本人人口の将来的減少が明らかになっているにも関わらず、企業活動と人口の関係について議論を深める努力はあまりなされていない。長期的な問題に対しての関心の薄さと、日本社会で抽象的な問題に関する議論がしにくいのが原因だろう。
人口減少に対して、相変わらず、出生率を引き上げるための方策や、育児への支援しか議論されない。子供への対策は重要だが、それは社会保障政策のひとつとして行うべきであり、過去の実績や先進国の状態から見ても、出生率を引き上げる効果は、ほとんど「ない」と考えたほうが良さそうだ。つまり、人口減少は多少食い止められるにしても不可避であり、人口減少下での日本社会はどうすればよいかを考える必要がある。つまり、政治家には目先のことだけではなく、長期的な視点も求められるのだ。
現在、社会保障人口問題研究所の予測では、中位統計で50年後の日本人人口は7,760万人、外国人を含めると、8,700万人となる。その差の約1,000万人が外国人になるだろう。この間50年間で毎年約85万人の日本人人口減少となる(ただし現状では減少幅はこの数字を上回っている)。
国家単位では、経済成長を左右する因子として、①労働人口 ②投資資本 ③TFP(全要素生産性)が挙げられている。その内で最も大きな因子であり、最も明らかな因子は労働人口である。労働力不足をカバーするために、資本の投下や、TFPを上げる努力をしても、労働力の減少は圧倒的大きな力を持っている。労働力減少があると、経済成長の低下は避けられない。2050年頃には、前年に比べて0.8%、2060年頃には1.0%の労働力減少率となり、この数値が経済成長を引き下げる。問題はどの程度の外国人労働者の流入があるかどうかである。
しかし、これは国家全体の総計である。国家が意思を持って「すべての」経済活動を左右することは、かつての共産主義国家以外にはない。国家は、個別の企業の意向を変えることは出来ない。日本の人口が、1億人が適当であるとか、あるいは、6000万人になっても大丈夫とか予測しているのは、個別企業の行動を無視してのことである。
大半の企業は成長か、少なくとも規模の維持を目指している。従って、多少の機械化によって、労働力を削減出来るかどうかの問題よりも、労働力の減少によって、生産の縮小を強いられることを避けようとする。そのため、企業は外国人によって国内の労働力不足を補うか、国内の事業を縮小し、海外で事業を拡大するか選択を迫られる。これらは、どちらにしても企業においてのアニマルスピリッツがあるかどうかの問題である。
国立社会保障・人口問題研究所の試算では、2070年の外国人比率を10-15%程度としているが、日本企業の活力が高ければ、つまりアニマルスピリッツが高いと、「自然」に外国人の雇用は増加し、外国人比率は、想定以上(20%以上)に達し、労働人口の減少は弱まるだろう。それに伴って、日本社会の変化も大きいだろう。反対に意欲的企業が少ないときには、人口減少は更に進むだろう。企業の活力が日本社会の構成を決めることになるのだ。ただし、最近起こった三菱商事の洋上風力発電からの撤退を見ると、官民双方のアニマルスピリッツはさほど高くないように思えるが・・・。
さて日本企業のアニマルスピリッツはどの程度だろうか?







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