「私の話を聞いてください」と頼むと、あなたは助言を始めます。私はそんなことは望んではいないのです
「私の話を聞いてください」と頼むと、あなたはその理由について話し始めます。申し訳ないと思いつつ私は不愉快になってしまいます。
「私の話を聞いてください」と頼むと、あなたは何とか私の悩みを解決しなければという気になります。おかしなことにそれは私の気持ちに反するのです。
祈ることに慰めを見出す人がいるのは、そのためでしょうか。神は無言だからです。助言したり 調整しようとしません。神は聞くだけで 悩みの解決は自分に任せてくれます。
だからあなたも、どうか黙って私の話を聞いてください。話したかったら、私が話し終えるまで少しだけ待っていてください。そうすれば 私は必ずあなたの話に耳を傾けます。
ラヴィング・イーチ・アザーより
対話の力をあらためて認識しなければならない。対話は会社の組織上での「情報」伝達手段、あるいは、上司が部下の要望を解決するためのものとして考えられているが、対話は単なる情報伝達や、悩み解決のためだけの手段ではない。それでは、対話はあらかじめ決められた役割しか果たさない。
対話はそれ自体が手段ではなく、目的そのものになることもあるのだ。例えば、精神科においては、対話のみによって治療を行う場合もある。あらかじめ対話前に治療の目標を決めずに、単に心を開いて対話を行うことによって、前もって考えもしなかった化学反応を起こすこともある。対話それ自体が強力な治療手段となっているのだ。従って、対話を行う際には、相互の関係が対話によって大きく代わることもあると思わなければならない。一定の準備は必要だが、対話を行う場合の法則、つまり、「傾聴」、「共感」、「支持する姿勢」を持ったまま、白紙の状態で対話を行ってもよい。
例えば、「傾聴」は文字通り相手の言葉を、耳を「傾けて」聴くことであり、その間に余分な動作や態度を示さないことだ。また、対話の最中では、うなずきや、「それで? それから?」など、会話を促すような「相槌」を入れること、相手の言った事を一区切りで「要約」し、また相手に対して「質問」を投げかけるのも、「傾聴」するための重要なポイントになる。しかし、これらは、相手の話を真摯に聞いていなければ、出来ないのである。
最初に記した、ラヴィング・イーチ・アザーの言葉のように、対話から沢山の収穫を得て、有意義に対話を行うためには、一定の対話に関する知識と姿勢とが必要となる。そのうえで、「対話」を精神的な障害や困っている人の救済に使うだけでなく、より一般的に広く仕事でも用いる手段としての「対話」を考えなければならない。企業が生産性を引き上げたいときに、特にサービス業においては、単純に「機械化」のみに頼るのでなく、人間個人の能力を高める方法としても「対話」を取り入れるべきである。
ただし多くの人が「対話」に消極的な理由として、「対話」によって、自分自身の存在が脅かされるという恐怖心を無くすることも必要だ。これこそが、教育課程で現在最も必要なことである。
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