少子化による人口の減少と、格差の拡大に伴う需要の落ち込みによって生じるデフレ、さらには景気低迷によって、日本は混迷から抜け出すことが出来にくい状態になっている。
その結果、インフレ目標や公共投資の拡大が求められ、揚げ句に財政赤字を拡大させた。それでもさらなる公共投資を行うべきであるとの理論(FTLP)や、ヘリコプターマネーの様に、国債を日銀が紙幣を印刷して直接引き受けたり、民間にばら撒くような政策も考えられているのが現状だ。
この様な短期的対策の連続ではなく、長期的な展望を持って、日本の将来を考えるとすれば、経済財政政策(政治的に考えられた経済財政政策はほとんど短期的政策だ)よりも、社会政策を基軸とするべきだろう。
社会政策の重要課題はいくつかあるが、その中では、女性の社会参加が重要な視点である。その為には、子供に対する社会の態度をどの様に考えるかが必要だ。つまり、女性が社会進出するにしても、その間子供を「預かる」のか、積極的に社会が「教育を施す」のかを考える必要がある。「子供は社会の宝である」ことは多くの人が賛同するが、社会が子供に対しての教育の主体となることには、賛否が分かれるところだ。
現状の考えでは、教育の主体はあくまでも親にあり、親が出来ない教育を学校と言う社会が行うのが建前である。しかし、デンマークの社会学者、イエスタ・エスピン=アンデルセンは、著書「平等と効率の福祉革命」の中で、「未完の女性革命」という言葉と一緒に、新しい教育の考え方を述べている。
格差が発生しているのは、世界的な傾向であるが、その為に犯罪の多発、失業問題など社会の不安定化を招く可能性がある。これらは、社会政策が必要な所以である。社会の中で生きていける人格形成、積極性、能力の獲得、お互いに協力することなど、社会を支える為の人材育成、それによって格差を少なくする原点を示す必要がある。
それには、幼児教育が重要だ。つまり、子供はどの様に育つべきか、そして社会に貢献することが出来るかどうかは、単なる知識を詰め込むこと(例えば早期の英語教育など)ではない。そして、子供を立派に育てる事はすべて社会の責任であり、子供を良くするのも悪くするのも親次第なのではなく、社会全体の問題として捉えるべきなのだ。
従って、「子供は社会全体で育てる」必要がある。特に、幼児期3歳までが、性格形成や社会的適応の為には、最も重要な期間である事は言うまでもない。さらに3歳から6歳までの就学前教育も大切だ(単に子供を預かるだけの保育ではない)。
イエスタ・エスピン=アンデルセンは次のような教育課程を提唱している。
0歳の時には、親の元で暮らすこと。1歳になってからは、集団教育を施す為に、保育所的な場所(預かることと教育双方)に参加させること。そして、3歳からは、さらに教育に重点を置いた施設に通わせることが必要である、と述べている。
重要な点は、就学前教育の目的は、社会の一員として、どの様に振る舞うかを教える事にあり、知識を詰め込む事ではないのである。この子供中心のシナリオの中に親を入れると、次のようになるだろう。
0歳の場合、女性が育児をしなければならない時には(男性でもOK)育児休暇(給与の大部分を支給する)を与えること。1歳からは保育所・幼稚園(教育も行う場所)に通わせ、女性は就労すること(これは強制ではもちろんないが、キャリアの中断を防ぐためには早期の就労が必要だ)。1歳から3歳、3歳から6歳までの就学前保育・教育は、女性の就労に寄与すること、子供が社会で生きていく為の基礎を作ること(民主主義とは何かを教えること)になる。
統計では、女性の就労と子供の数とは、正比例の関係にあり(反比例ではない)、フルタイムで就労している女性に、子供が多く生まれる傾向がある。同時に、女性の就労は、所帯単位の所得を増加させることになるのだ。女性が手当てを受けるのではなく、就業して、税金を納める存在になるべきであろう。
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