競技におけるハンディキャップとは、あらかじめ、強者に対して負担を負わせ、弱者には有利な持ち点を与える方法を指している。例えば、100mを12秒で走る人と、15秒で走る人が100m競争で同じ様にスタートすると、「必ず」12秒で走る人が勝利するので、ハンディキャップを取り入れ、15秒で走る人はあらかじめ前から(例えば20m前にスタートラインを設定)して、用意ドンで競技する。この様なハンディキャップが適正だと、勝敗はわからなくなるし、競技も面白い。この考えを「機会の平等」と呼んでいる。
ゴルフをする人ならご存だろうが、ゴルフはハンディキャップを取り入れて競技し楽しむ習慣がある。つまり、下手な人には予め一定の打数を差し引く。つまり、18ホールでスコアが110の場合、その人のハンディキャップが30だとすれば、NETスコアは、110-30で、80となる。これに対して上手い人は、ハンディキャップが10しか与えられず、18ホールでのスコアが90の場合でも、NETスコアは90-10で同じく80となり、同スコア、つまり、80対80となり競技が成立する。予め下手な人には大きなハンディキャップを与え、上手な人と対等に競技できるのだ。
ゴルフで「あなたのハンディは幾つですか」と問われた時に、7ですとか9ですと言うのは、いわゆる「シングルプレーヤー」で、周囲からの称賛を得る。しかし、ハンディキャップ競技では、シングルプレーヤーは勝利することが難しい。この場合、多くの人は優勝の機会が少ないことよりも、自分がシングルプレーヤーであることを好むのである。強いと認められるほうがカッコいいことは確かだからだ。
円の為替レートで円高が良いか円安が良いかの議論があるが、変動為替制度のもとでは為替レートは非作為的、自動的に動くので、どちらが良いとも悪とも言えず、中立的である。現在は1ドル130円の「円安」が問題となっている。しかし、1973年の変動相場制移行以前は1ドルが360円だった。当時は今から考えると著しい円安だった。これをゴルフに例えると、当時日本はハンディキャップ36だったとも言える(アメリカはハンディキャップ0)。日本とアメリカの間に、つまり円とドルの競争力に差がある場合、円の価値を引き下げて、対等の関係を保つように為替が変化する。ゴルフの場合、練習を行い、上手になると、ハンディキャップはその都度少なくなり36⇒25⇒20⇒15と減少する。この状態は為替に例えると1ドルが360円⇒250円⇒200円⇒150円に移動する過程と同じようなものだ。一時期、円安が好まれ、円高が嫌われた状態は、ゴルフの試合で大きいハンディをもらい、勝つことにこだわっていることと同じである。ハンディキャップが大きいほうが勝負には勝ちやすく、ハンディキャップをそのままにすると大きなハンディを持つほうが勝つばかりで、国際貿易では負けた国にとって不満がたまる。国の実力がついてハンディキャップが小さくなると(為替で円高になると)試合に勝ちにくいことと同じである。しかし、ハンディキャップが少ないことは、当人にとって名誉なことであり、そうなることを目指すのが当然である。一度の優勝よりも、上手くなる方が良いのは当然だ。円ドルレートも、日本が実力をつけたときには、円高になり(ハンディキャップが小さくなり)、練習をサボって実力が低下すると円安になる(ハンディキャップが大きくなる)のである。
上記のように、ゴルフでは、ハンディキャップが9以下になることを「シングルプレーヤー」と言って、称賛される。その代わり常に練習して精進しなければ、試合には勝てない。同様に、努力すると必然的に円高になり(ハンディキャップが小さくなり)、貿易面では苦しくなる。しかし、そこを頑張って努力するとハンディキャップを克服して、勝利することも出来る。しかし、苦しいからと言って、ハンディを多くしてもらい試合に勝利したい人はいないだろう。日本は円高になると大騒ぎして、円安になることを願った。つまり、ハンディキャップが小さくなると勝負に勝ちにくいので、ハンディキャップを大きくすることを願うことと同じである。
円が130円になることは、ゴルフで言うとハンディキャップが9のシングルプレーヤーが練習をサボり、実力が低下してハンディが13になったことと同じようなものだ。とりあえず優勝する機会が増えるかもしれないが、目標はハンディキャップを小さくすること、あるいはシングルプレーヤーに復帰することとなるのは当然である。円が継続的に高くなれば、日本国民も幸せになるだろう。
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