緊急事態宣言が解除されたものの、新型コロナウィルス前のような生活に元通りというわけにはいかない日々が続いています。子どもたちは家庭で過ごす時間が増え、それが長期間続くと、子どものみならず大人のからだと心の健康にも影響を及ぼすことが懸念されます。この状況の中、当法人で何かできることはないかとリモートでの話し合いが行われました。そこで、「劇団等の作品の動画や情報、当法人がこれまでに行ってきた体験活動をSNSで届け、自宅で体験してもらうのはどうか。」という提案が上がりました。体験活動を得意分野としてきた私たちにとっては初めての試みでもあり、まずは会員の親子世帯を対象にネット環境やSNS上でのニーズを調査してみることから始めてみました。今回はこの調査から見えたコロナ禍での日常をお伝えします。
「ご家庭などで動画を見ることができるネット環境はありますか。」という質問に対して、回答者すべてが「ある」という結果でした(図1)。このことから、当法人側から会員の方向けに動画配信等を行う場合は、親子家庭の26世帯には動画を見ることが可能な環境であることが分かりました。
次に、「子どもセンターからの動画配信等を利用したいと思いますか。」という質問の結果、「はい」が84.6%(22人)、「いいえ」が15.4%(4人)でした(図2)。過半数以上の方が当法人からの動画配信等を利用したいということが分かりました。その一方で利用を希望しないという方もいるということも分かり、ニーズに合った対応を考えていくことが課題であることも見えてきました。
また、動画配信等を有料にした場合、会員はどのくらいの料金だと利用したいと思うのか率直な疑問についても質問をしてみました。図3が示すように、「500円」11.5%(3人)、「1000円程度」3.8%(1人)、「無料なら利用する」53.8%(14人)、「内容による」42.3%(11人)という回答が得られました。「無料なら利用する」の次に回答が多かった項目は「内容による」だったことから、動画配信等を行う場合は、どのような内容のものに対して、「有料」とするのかも含め考えていくことが大切であることが分かりました。
以上の質問の他に、2つの記述式の質問も行いました。1つ目は、「動画配信等を利用する上で心配なことがあればご記入ください。」という質問です。回答件数は9件でした。セキュリティの問題や子どもの視力低下への影響、本物に触れるという体験離れへの心配など広範囲にわたる意見がみられました(図4)。
2つ目は、「動画配信等で見てみたい、知りたい 体験活動は何かありますか。あればご記入ください。」という質問です。回答件数は、14件でした。家でできる遊び、劇・音楽鑑賞、工作といった様々な体験活動を希望していることが分かりました(図5)。
運営スタッフの方々とこの結果を見て、「やっぱり体験活動は大事だよな~。」と改めて「生の体験活動」の大切さを知る機会にもなりました。また、このアンケートの最後に自由記述を設けたところ、多くの会員が、自粛期間中の過ごし方を記述していました(図6)。大変な状況の中でも、楽しいことを見つけながら過ごしていることが分かりました。
コロナの影響により、私たちが大事にしてきた体験活動が中止・延期となり、会員の方々に会えない日々が続いています。そんな中でも、アンケートを通じて、親子会員の生の声を聞くことで会員の方々と繋がることができ、ほっとした気持ちになった自分がいました。会うことはできない状況下でも、メールや会員通信等で言葉のキャッチボールをすることで、会員の方と繋がっていられるということが、自分自身の幸福感、安心感につながっています。このやりとりは、生の体験活動で味わう感動や喜びを補えるのではないかと気付かされました。今の状況を「生の舞台芸術鑑賞、体験活動は超えられない。」と悲観的に捉えるのではなく、「それに近いものを生み出すチャンスかも。」と楽観的な気持ちでいる方が心の健康にも良いだろうし、日常生活の中で心が動かされた瞬間を何個見つけられたか、書き留めたり、誰かに話してみたり、身近なものを様々な角度から見てみると何だかわくわくするかもしれません。
現在、当法人のプレーリーダーやプレーパークの運営委員が中心となり、親子や子どもを対象にした遊びの動画づくりに初めて挑戦しています。私は引き続き会員通信等を介して、会員とことばのキャッチボールを通して「今の声」を拾っていきたいと思っています。あらゆる楽しみが先延ばしになっていますが、会員アンケートから得られたことを活かし、各々ができることから取り組んでいます。
しかしながら、コロナの影響で体験活動が十分にできない環境下の親子を支援するには、当法人だけで抱えきれないほどの様々な課題が浮き彫りになっています。今こそ、子どもや親子支援を行う民間組織(NPO/サークル/企業など)が手を取り合うことが急務であると考え、当法人も呼びかけ人となり、「おかやま親子応援プロジェクト」が発足しました。
現在、期間を限定して、クラウドファンディングで支えてくださる方を募集しています。みなさまのお力を貸していただきますようよろしくお願いいたします。
#だれもひとりではない | おかやま親子応援プロジェクト クラウドファンディングページ
URL: https://readyfor.jp/projects/okayamaoyako
対象:岡山市子どもセンタ-の会員(親子世帯60名)
回答者数:26名
実施期間:2020年5月1日(金)~ 5月10日(日)
調査方法:メールにてアンケート内容(WEB上で回答ができるもの)を送付、回答を収集
研究助成 成果報告の記事を見る
小林 天音の記事を見る
秋谷 進の記事を見る
坂本 誠の記事を見る
Auroraの記事を見る
竹村 仁量の記事を見る
長谷井 嬢の記事を見る
Karki Shyam Kumar (カルキ シャム クマル)の記事を見る
小林 智子の記事を見る
Opinions編集部の記事を見る
渡口 将生の記事を見る
ゆきの記事を見る
馬場 拓郎の記事を見る
ジョワキンの記事を見る
Andi Holik Ramdani(アンディ ホリック ラムダニ)の記事を見る
Waode Hanifah Istiqomah(ワオデ ハニファー イスティコマー)の記事を見る
芦田 航大の記事を見る
岡﨑 広樹の記事を見る
カーン エムディ マムンの記事を見る
板垣 岳人の記事を見る
蘇 暁辰(Xiaochen Su)の記事を見る
斉藤 善久の記事を見る
阿部プッシェル 薫の記事を見る
黒部 麻子の記事を見る
田尻 潤子の記事を見る
シャイカ・サレム・アル・ダヘリの記事を見る
散木洞人の記事を見る
パク ミンジョンの記事を見る
澤田まりあ、山形萌花、山領珊南の記事を見る
藤田 定司の記事を見る
橘 里香サニヤの記事を見る
坂入 悦子の記事を見る
山下裕司の記事を見る
Niklas Holzapfel ホルツ アッペル ニクラスの記事を見る
Emre・Ekici エムレ・エキジの記事を見る
岡山県国際団体協議会の記事を見る
東條 光彦の記事を見る
田村 和夫の記事を見る
相川 真穂の記事を見る
松村 道郎の記事を見る
加藤 侑子の記事を見る
竹島 潤の記事を見る
五十嵐 直敬の記事を見る
橋本俊明・秋吉湖音の記事を見る
菊池 洋勝の記事を見る
江崎 康弘の記事を見る
秋吉 湖音の記事を見る
足立 伸也の記事を見る
安留 義孝の記事を見る
田村 拓の記事を見る
湯浅 典子の記事を見る
山下 誠矢の記事を見る
池尻 達紀の記事を見る
堂野 博之の記事を見る
金 明中の記事を見る
畑山 博の記事を見る
妹尾 昌俊の記事を見る
中元 啓太郎の記事を見る
井上 登紀子の記事を見る
松田 郁乃の記事を見る
アイシェ・ウルグン・ソゼン Ayse Ilgin Sozenの記事を見る
久川 春菜の記事を見る
森分 志学の記事を見る
三村 喜久雄の記事を見る
黒木 洋一郎の記事を見る
河津 泉の記事を見る
林 直樹の記事を見る
安藤希代子の記事を見る
佐野俊二の記事を見る
江田 加代子の記事を見る
阪井 ひとみ・永松千恵 の記事を見る
上野 千鶴子 の記事を見る
鷲見 学の記事を見る
藤原(旧姓:川上)智貴の記事を見る
正高信男の記事を見る
大坂巌の記事を見る
上田 諭の記事を見る
宮村孝博の記事を見る
松本芳也・淳子夫妻の記事を見る
中山 遼の記事を見る
多田羅竜平の記事を見る
多田伸志の記事を見る
中川和子の記事を見る
小田 陽彦の記事を見る
岩垣博己・堀井城一朗・矢野 平の記事を見る
田中 共子の記事を見る
石田篤史の記事を見る
松山幸弘の記事を見る
舟橋 弘晃の記事を見る
浅野 直の記事を見る
鍵本忠尚の記事を見る
北中淳子の記事を見る
片山英樹の記事を見る
松岡克朗の記事を見る
青木康嘉の記事を見る
岩垣博己・長谷川利路・中島正勝の記事を見る
水野文一郎の記事を見る
石原 達也の記事を見る
野村泰介の記事を見る
神林 龍の記事を見る
橋本 健二の記事を見る
林 伸旨の記事を見る
渡辺嗣郎(わたなべ しろう)の記事を見る
横井 篤文の記事を見る
ドクターXの記事を見る
藤井裕也の記事を見る
桜井 なおみの記事を見る
菅波 茂の記事を見る
五島 朋幸の記事を見る
髙田 浩一の記事を見る
かえる ちからの記事を見る
慎 泰俊の記事を見る
三好 祐也の記事を見る
板野 聡の記事を見る
目黒 道生の記事を見る
足立 誠司の記事を見る
池井戸 高志の記事を見る
池田 出水の記事を見る
松岡 順治の記事を見る
田中 紀章の記事を見る
齋藤 信也の記事を見る
橋本 俊明の記事を見る