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緊急特集:新型コロナウイルス感染症を考える-医療・福祉の専門家の視点から-Vol.13「ひとり親家庭の新型コロナの影響についてのアンケート〜100世帯から届いた声より〜」

今回、当団体(チャリティーサンタ)に関わりのある家庭の中でも、岡山市内に在籍するひとり親家庭に注目し、「新型コロナの影響を受けての困りごと」の確認をするアンケートを行い、100名からご返答をいただきました(対象者の詳細は末尾に記載)。

今回は、家庭の生の声をお伝えしたいと思います(個人情報の配慮や、誤字脱字などで一部修正している部分はありますが、できるだけ生の声をお伝えいたします)。

家計と育児の両方を担うひとり親

家庭から困りごととして大きく出たのは「保育園・学校園の状況」(83人 / 100名中)という結果になりました。特にアンケート実施時は緊急事態宣言が出ており、学校は休校状態となり、幼稚園・保育園についても登園自粛を促していた時期であったためです。

ひとり親世帯においてはひとりで「家計と育児の両方」を担っていることになります。

家庭からは
・「休校や登園自粛のためのため、家計に影響が出てしまう」といった経済的な不安
・「自分自身が家計の担い手であることから仕事が休めない」といった子どもへの感染の不安(学校園を休ませてあげられない罪悪感)
どちらも寄せられました。

<家庭の声>
● 育休中ですが、こども園が登園⾃粛で仕事を再開出来ない。
● 仕事の給料が半分になり経済的にかなり苦しい。でも仕事のため、子どもは保育園に⾏っており、コロナのリスクも⾼く⼦供を危険にさらしていることに罪悪感も感じています。

また自粛に伴う「子どもの見守りの欠如」(留守番の不安)や、自分の感染時に「子どもを誰がみるのか」といった不安も寄せられました。

収入減もあるが、出費の増加も大きい

2番目に多かったことは「金銭的な不安」(74名/ 100名中)です。
家計的な「非正規雇用であるがゆえの不安」もあげられましたが、収入面に変化がなくても「出費が増えた」という声も多くあがりました。

<家庭の声>
● コロナの影響で出勤出来なくなり、収⼊が半分以上減りました。これからずっとこのような感じであれば、⼦供の将来のために貯めてきた貯⾦に⼿をつけなければならないのがとても悲しいです。
● 家にいる時間が⻑い為、⾷費などの出費がとても増えています。しかし出て⾏くお⾦は普段と変わらず光熱費や家賃等は⽀払わなければならない。在宅勤務になり給料も減るかもしれない中、特別給付⾦もいつ貰えるかわからない状況で先も⾒えず、とても不安です。
● 家での⽣活が増えると普段以上にお⾦がかかるので、今までの⽣活でも厳しかった私たちはこの先どうなるのだろう、、ととても不安な毎⽇を送っています。
● 休校期間中の給⾷がないため、⾷費がすごくかかる。

コミュニケーションのしんどさ、ストレスが多く寄せられた

自由記述で一番多くの家庭が具体的にあげていたのが「家の中での自粛」に伴う、親子コミュニケーションとストレスに関するものでした。特に「家の中にずっといることで叱ってしまう(怒ってしまう)」という声が多く寄せられました。

<家庭の声>
● ⼦どもとずっと家の中にいる時間が⻑く、ちょっとしたことで叱ってしまう。
● ずっと家にこもっていると、それぞれがストレスをかかえて吐き出すと、受け⽫、はけ⼝がないため、なかなかケンカや言い争いが終息しないことがあります。
● ⼦供がずっと家にいる事でイライラすることが増えて怒鳴ったりする。
● ⾔い聞かせて、⼦供は好きなことを沢⼭我慢している。けど、お互いのストレスで怒ることが増えてしまった。いつ終息するか⾒通しがつかなく不安。

これらはひとり親に限っての課題ではないかもしれませんが、家という閉じた空間の中でひとりで抱え込むという点ではよりフォローが必要な部分になってくると考えます。

新型コロナの影響がすべてなのか?

これらの問題は「新型コロナ」で顕著に見えた課題ではありますが、決してコロナで起きた問題だけではなく、「既にあった課題」が浮き彫りになった状態にあります。

 ・何かあった時に、子どもを見ることができない不安
 ・得られる収入が不安定な状況にあること
 ・セーフティネット(例:給食)がなくなるとしんどさが加速する
 ・親ひとりでの子どもと接することによるしんどさ

このようなことは、全ては平時でも十分にありえることでもあります。

サポートの受けやすい体制をつくること 〜必要性と現在行っているチャレンジ〜

今回「すでにサポートを得たか」という質問に関しては、多くの家庭が「得ていない」と答えました(65名 / 100名中)。次いで多かったのは「勤め先」(17名)や「学校園」(10名)といったものがあがっていました。逆に行政や地域の支援団体からのサポートは殆どの家庭が受けていない状態にありました。

ここから分かるのは、すでに自分のライフスタイルに入り込んだもの以外からのサポートは受けていないということです。

実は今回のアンケートは当団体から支援を届ける企画の情報を送る際に集めたものになり、すぐに沢山の支援への結びつきとアンケートの回答がありました。自分の見えるところで必要な情報が届けば、家庭もSOSが出せるということにもなります。

そのためにも、「地域の人たちが寄り添っている」という意思表示を打ち出し、伝えていく必要があります。
そしてこれはひとり親に限らず、すべての家庭にとって同様のことがいえるのではないでしょうか。

岡山はコミュニティ財団の設立の際や、西日本豪雨の災害の支援の時など、それぞれの団体の強みを活かして支援のネットワークを構築してきた地域です。このようなこともあり、地域での役割分担と連携が得意な地域でもあると自負しています。

今回のコロナの影響を受け、改めて顕著に様々な課題が見えてきました。
この状況で様々な団体が手を取り合い、ネットワークをしっかりつくることで、素地をつくり、コロナの影響が過ぎ去ったあとでも「どんなことがあっても岡山の親子は大丈夫」と思える機運をつくっていきたいと考えています。

現在、岡山の中で複数の団体が呼びかけ人となり、「おかやま親子応援プロジェクト」を発足。連携する団体と、支援の呼びかけを募っています。

現在、期間を限定してクラウドファンディングで支えてくれる人を募集しています。
また是非みなさまのお力を貸していただけますと幸いです。

#だれもひとりではない | おかやま親子応援プロジェクト

クラウドファンディングページ

https://readyfor.jp/projects/okayamaoyako

※アンケート対象者について
対象  : 2019年11月時点で児童扶養手当受給していた岡山市の家庭
     (チャリティーサンタの支援家庭。昨年度3~9歳の子どもを持つ家庭)
回答数 : 100名
手法  : web調査(支援情報提供時に収集)
期間  : 2020年5月2日

NPO法人チャリティーサンタ 理事河津 泉
NPO法人チャリティーサンタ概要
チャリティーサンタでは「家庭での大切な思い出」を大切にし、ボランティアがサンタクロースに扮して行うチャリティー活動と、それによって集まった収益金で世界中の子どもたちを対象に支援を行っています。
社会的認知度が高く、格差が現れやすい行事にフォーカスしながら、クリスマスをスタートとして、個人や企業が手を取り合い「社会全体で子どもを支え合う」そんな気運を醸成していくことを目指しています。
NPO法人チャリティーサンタ概要
チャリティーサンタでは「家庭での大切な思い出」を大切にし、ボランティアがサンタクロースに扮して行うチャリティー活動と、それによって集まった収益金で世界中の子どもたちを対象に支援を行っています。
社会的認知度が高く、格差が現れやすい行事にフォーカスしながら、クリスマスをスタートとして、個人や企業が手を取り合い「社会全体で子どもを支え合う」そんな気運を醸成していくことを目指しています。
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