

日本では、1990年代後半から、生産年齢人口が減少し始め、労働力不足が次第に強くなっていった。企業は、労働力不足を、女性の労働力に頼り、女性の就労比率が高くなると、高齢者の労働力を当てにした。しかし、これらの労働力によっても、不足分を充足できず、外国人移民の労働力に頼るようになった。2018年の安倍内閣の発言にあるように、それまで政府は、ひたすら「移民問題は存在しない」と移民の問題を避けていた。1993年に創設された、外国人技能実習制度は、当初こそ、日本で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的としていたかもしれない。しかし、労働力不足で外国人労働者の力を借りないといけない事態になったとき、当初の目的とは大きく違い、安価な労働力を求め、さらには、外国人技能実習生の移動の自由(転職)を妨げる制度となっていった。その当時(1990年代後半)にも、外国人労働者に対する処遇の問題を議論する事はできたが、問題を棚上げにして議論すらしなかった。そしてようやく、2025年の参議院選挙で、移民問題が議論の俎上に載った。30年間移民政策を打ち出さないままに過ごしていたことが明らかとなっている。
本来政策の可否を問う場合、あるいは新しく政策を作る場合、過去の政策に対する真剣な議論や反省が必要だ。移民政策については、与野党ともに過去の政策の反省がないまま、新たにその場しのぎの政策を行っている。まるで、過去の同僚や上司の失敗を隠す官僚のような態度だ。参議院選挙の際に見られた外国人労働者の問題も、過去の反省と、これまでの外国人労働者に対する感謝はほとんどなく、外国人を日本に入れたときの問題点を上げる議論が大部分だった。そして将来、外国人が必要なことを概ね理解しているにも関わらず、外国人が日本に存在しているときの不都合な点(不動産の取得、保険の未払い、犯罪の多さ、マナーが悪いこと)などをあげ、いわば必要悪であるかのような態度に終始している。出来れば、外国人は日本に入れたくないが、入れざるを得ないから、目の届かないところで生活してくれと言うかのような態度に見える。
今後も企業は人手不足であり、本来なら事業縮小も必要なときに、外国人労働者は貴重な存在になる。もしも、外国人を嫌い、日本人のみで生活するとなれば、経済成長は低下し、供給不足のために物価は上がり、エッセンシャルワーカーの不足によって、医療、介護、清掃、物流、販売、そして建築、農業、漁業などの分野で大幅な人手不足が起こり、供給が滞るために、少ない需要も満たせないようになるだろう。GDPはマイナス成長を続ける。
問題は、移民に対しての「意思」を持つことだ。スペインの例でわかるように、人口と経済成長とは密接な関係にある。移民を歓迎して人口を増やすことは、経済の成長につながる。これは人々が望むかどうかの問題だ。移民を制限すると経済成長は低下して、各種の問題が生じるだろう。どちらにしても全て良いことはない。日本人が移民を入れるか、移民を制限するか、そのどちらを選択するにしても、政府が独自(分からないように)に行うのではなく、日本国民が自主的に選択しなければならない。そしてその選択は、日本にとって最も重い、重要な選択となる。移民の是非を争点にした選挙が必要となるかもしれないのだ。







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