いろいろの問題に対して、信頼関係や権威に頼ることなく、自分の経験を通じて答えを見つけようとし、そして、自分の考えに従って行動する人間は、統治者にとっては危険な存在である。危険な存在を出さないようにするために、自立を促すような教育(権威に頼らない考えを持つこと)を行わないようにする傾向がある。嘘のような話だが、意外に真実をついているかもしれない。
宗教は上記の典型的な例である。宗教での戒律も、自由意志を制限する場合が多い。例えば、仏教において概念的、哲学的に無常とか無我を考えるようにと言っても、それを理解できない場合には、とんでもない解釈に至る恐れもある。指導者達は、これを恐れる。それを防止して同じ方向を向かせるためには、簡単な言葉で表現できる戒律(標語)が便利である。戒律に対して、なぜか?と問いかけてはならないのだ。「それはお釈迦様が仰ったのだから、それは聖書に書いてあるから」などの説明がすべてである。戒律が横行すると、考えが停止する。例えば、死の問題は重要であるが、考えをそれ以上すすめようとすると壁にぶつかり、何らかの簡単な法則にすがることになる。魂の実在や、浄土や天国の存在、死後の世界などである。
問題に対して自分で答えを見つけ個人の考えに従って行動することは、ブッダが強く望んだことであるが、統治者にとっては危険であるため、統治者はこの様な教育を行わないようにする。しかし、人間は生まれや位によるのではなく、正当な基準は倫理性・論理性にあるのだから、理解することは、宗教においても師の教えをそのまま繰り返すことではない。
生の感覚は、容易に既存の思い込み(言葉に伴う)と結びつき、自由な想像を阻害する。これを防ぐために、仏教では如実知見が必要であると言われる。如実知見というのは、「自分」あるいは「自分の思い込み」を持ち出さずに、物事をありのままに見つめることである。そして、自分自身の感情も含めて観察することだ。さらには、過度に形而上学的に流れず、個人の経験からすべてを考えることが必要だ。
高度成長期には、病、老、死の三苦についてあまり考えないようにいていた。軽視したために、それらが襲ってくる場合には、精神的な苦しみが大きい。死に対してはその苦しみが特に強いが、しかし如実知見で考えると、すべてを残して死ななければならないことが観察出来るのである。自分がかわいそうなのでなく、見送る人もすべて死ななければならない空しさを実感すべきである。それが、「生」に対する無頓着な心を作る。
自我(自分の信念、善悪の法則など)の発生は、自分自身で作り上げたというよりも、感覚器官から刺激を受け取った結果として、感覚を生じることから生まれる。つねに、感覚は生まれては消えていくが、その集合体、あるいはそれらをまとめるものが自我である。従って、自我の実態はなく、プロセス(外部の刺激から自我が生まれる過程)のみがある。外部の感覚から作られている、かりそめの「自我」の成り立ちを冷静に観察すべきである。自分自身が外部の刺激から自我を生じていることを見つければ、今までのいろいろの思い込みは消失するだろう。そして外部の刺激に応じた個々の異なった世界の観察が行われる。世間の常識が消失するときが来るのである。
指導者層はこの様な、世間の常識にとらわれず、外部の刺激から自分の思いが発生していることを理解するような事態を、危険な状態と感じている。一定の常識のもとに、簡単な説明で、人々が動くことを望んでいるのだ。指導者のもとには、その意向を受け、多くのマスメディア、企業、公共団体が参加している。この様な団体は、ひたすら人々の覚醒を恐れている。
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