パリの街角と東京から

パリでの一コマ。昼時にカフェで寛いでいる二人の男性たち。ロゼワインを美味しそうに飲んでいる。
そこへ日本人のレポーター。

「美味しそうに飲んでいますね」
「この店はお気に入りなんだよ」
そこへ店主が二人にグラスを持ってくる。
「これサービスです」
日本人レポーター「なんですかそれ」
「テキーラだよ」
二人は旨そうにテキーラを空ける。
日本人レポーターおそるおそる聞く。
「今日は、お仕事無いんですか?」
二人の男性、やや憤然として、
「あるに決まっているだろう!」
そして多少の解説。
「昼休みは自由な時間なんだよ。自分で自由に使っていいんだよ」
日本人レポーター「・・・・・・」

東京の丸の内での昼時のこと、商談が成立したあとの昼時間、寛いだひととき。

「今日はよかったですね」
「おかげさまでありがとうございます」
「では、ビールでも飲んでリラックスしましょう」
相手方が恐縮して、
「今仕事中ですから・・・」
「昼休みでしょう。ビールは飲まないのですか?」
「私達は結構です。どうぞお一人でお飲みください」
「まあそう言わずに」
「ではノンアルコールビールでも・・・」

規則に縛られた小学校、中学校、そして、人目を気にし始め、自立心を欠き受験に明け暮れる高校生、その結果生まれた、規則に従順な日本のサラリーマン。一見自由な社会だが、周囲を気にし、「自主的」に行動を規制し、不自由もあまり感じない日本人。争いや、言い合いが少なく、一見平和な日本である。ただし、「幸せだ」と言えるかどうかは分からない。

公益財団法人橋本財団 理事長、医学博士橋本 俊明
1973年岡山大学医学部卒業。公益財団法人橋本財団 理事長。社会福祉法人敬友会 理事長。特定医療法人自由会 理事長。専門は、高齢者の住まい、高齢者ケア、老年医療問題など。その他、独自の視点で幅広く社会問題を探る。
1973年岡山大学医学部卒業。公益財団法人橋本財団 理事長。社会福祉法人敬友会 理事長。特定医療法人自由会 理事長。専門は、高齢者の住まい、高齢者ケア、老年医療問題など。その他、独自の視点で幅広く社会問題を探る。
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