日本の経済的視点からの価値は、1997年が頂点であった。給与額も1997年が頂点で、それ以降は多少の波はあるが、最近は景気の上昇にもかかわらず、20年間以上も1997年の状態には達していない。(国税庁 民間給与実態統計調査)
ここまで来ると、「失われた・・・」では済まされないだろう。現在(2019年時点)の給与水準はやや回復しているが、景気が後退すると再び、2008年~2011年の給与に下がるかもしれない。この傾向は、日本において顕著に見られるが、先進国全般の成長率もかつてより著しく低下している。そして、各国の中央銀行は、金融を緩め放題である。つまり、金利が低いにもかかわらず経済成長が低いのは、企業にとって投資先が見当たらないのであり、景気刺激策を何回も行っている中央政府は財政赤字に悩んでいるのだ。この傾向は、近世200年続いた資本主義の限界をも示すものだ。日本においての経済成長が再び3%程度に復活することは、もはや望み薄である。
現在の経済状況に浸っている人たちは、経済成長が低くなったと言うが、歴史上では、現在の高成長こそが例外的な時代だった。
SOURCE: OECD The World Economy - A Millennial Perspectiveより(一部追加)
このグラフは、紀元0年から2017年までの世界の成長率を示したものである。200年前からの驚異的な成長は、それまでの1800年間にわたる成長の度合いとは大きくかけ離れている。世界は資本主義を採用して、大幅な成長を果たしたが、現代の低成長はその限界が表れたのかもしれない。成長の無い時代が、人類の歴史上の大部分を占めているのである。しかし、欲望に基づく経済成長は不必要であると言われても、実際の国家運営においては、なお成長が必要である理由とされるのは、社会保障に関わる支出である。格差が生じる資本主義を選択する以上、再分配政策は避けられないし、高齢化による社会保障費用の増加も不可避である。
基本的には、2012年に示された「税と社会保障の一体改革」の考えが必要だろう。天から降ってくる資金で社会保障費を賄うわけにはいかないのだ。従って、税の増加と、福祉予算の削減が必要であることは自明の理である。税の負担は避けられない。社会保障費の削減も避けられないのだ。総額を決めて、配分するしかないだろう。だからと言って、急激な変化は社会の混乱を招くので、斬新的な変化を企画する必要がある。政府の役割よりも、国民の関心レベルの問題である。方法は、実態を直視したうえで、その方向を損なうことなく手を差し伸べる方法が望ましい。つまり、資本主義を継続したまま法人と個人とを明確に分離し、法人に対する競争政策と、個人に対する最低限度の生活保障とを行う必要があるだろう(従来は、法人の保護政策を通じて、個人の保護を行っていた)。人々の自然の関係が変化することは仕方がないことであり、過去に戻る必要はない。変化を受け入れた上で、その変化を望ましい方向に少しだけ手直しをするべきであろう。
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